東の桜餅といえば、隅田川長命寺山本やさん
毎年桜の開花予想がTVで報じられる頃、何故か恋しくなるのが桜餅。店頭にはもっと早くから並んでいるのですが、開花に合わせて徐々に食べたくなってくるという不思議な和菓子。ふんわりとしたピンク色と桜の葉の香りが、情感に優しく訴えてきます。


そんな桜餅。実は2種類あって、関東風はクレープのような長命寺タイプ。一方西日本は、おはぎのような道明寺タイプ。最近では両方置いているお店も珍しくありません。
山本や 以外は長命寺風桜もち
両岸をなぞるように植えられた隅田川の桜、特に花が満開を迎える春には多くの花見客が訪れています。ずっと昔から私たちの心を癒し東京を代表する景色となっています。そんな隅田川のほとりにある長命寺の門前で、江戸時代から桜もちのみを製造・販売しているのが「長命寺桜もち山本や」さんです。


山本やさんは、通年で桜もちのみを販売しています。大変人気なので桜の季節はいつも並んでますが、回転がはやくすぐに買えます。因みに一つからでも買えます。安心してください
江戸時代から創業300年という山本やさん。隅田川土手の桜の葉を塩漬けにして桜もちを考案し、長命寺の門前で売り始めたことが、江戸における桜もちのルーツだと言われています。(現在は半年以上塩漬けにした西伊豆オオシマザクラの葉を使用)


因みに「長命寺桜もち」は登録商標で、山本やさん以外のは「長命寺風桜餅」になるのだそうです。薄皮の材料は小麦粉と水のみ。その素材と製法は江戸時代から変わらないままです。
長命寺桜もちの潔い風味
関東風桜もち発祥のお店として、今も愛される桜もちはいたってシンプル。そして白い!ピンク色の桜餅じゃないんですね~。桜の葉を三枚も使って包まれているので、よりいっそうな香りを感じられます。葉を剥がし薄皮に移った桜の香りを楽しむという、なんとも粋な江戸の風情ですね。

甘さを抑えたすっきりとしたこし餡です。包んである薄皮は素朴な風味と歯ごたえ。桜の葉の塩味が全体をまとめていて、目をつぶりながらゆっくりと味わいたくなります。本当に美味しい桜もちです。

江戸自慢三十六興は、歌川豊国と歌川広重の合作による錦絵のシリーズで、幕末の江戸の名所と風俗を表現したもの。この「向島堤ノ花并ニさくら餅」(むかいじま つつみのはなびらにさくらもち)。包みでぶら下がっているのがなんと桜もち!これと同じものだなんてなんとも不思議で感動します。


隅田川桜まつりに気分も上がる
なんと隅田川桜まつりは、3/15~4/13(2025年)という約1か月間に渡る、それはそれは陽気なお祭りです。せっかく桜を見に行っても雨…なんて日も翌日行けば祭りです。全然つぼみの頃でも祭りです。これは素敵ですね~。しかも、11時から夜の21時までやってるという次第。


ほぼ毎日、向嶋芸姑茶屋という芸姑さんがお団子売ってたりします。土日の公園の仮設ステージでは、地元の方々による舞踊やダンス、歌の発表もあります。夜間のライトアップあり、近くに浅草あり、スカイツリーもしっかり見えて本当歩くだけでも楽しめます。
営業時間と周辺地図
長命寺桜もち 山本や | |
住所 | 東京都墨田区向島5-1-14 |
TEL | 03-3622-3266 |
営業時間 | 8:30~18:00 |
定休日 | 月曜 |
営業時間 | 8:30~18:00 |
アクセス | ①東京メトロ・半蔵門線押上駅から徒歩約15分 ②東武スカイツリーライン・曳舟駅から徒歩約12分 ③浅草線・銀座線 浅草駅から吾妻橋を渡って 隅田川沿いをぶらぶら歩いて25分 |
駐車場 | 3台 |
HP | https://sakura-mochi.com/ |
インスタグラム | https://www.instagram.com/cmj_sakuramochi |
長命寺って意外に小さい
山本やさんの道案内には、「長命寺のウラです」と表記されています。そんな長命寺は幼稚園を併設した小さなお寺。隅田川七福神のうち弁財天を安置している、天台宗寺院です。


全国に長命寺というお寺はたくさんあります。ここ向島・長命寺は、徳川3代将軍家光がこの辺りに鷹狩りに来た時、急に腹痛をおこしましたが、住職が加持した庭の井の水で薬を服用したところ痛みが治まったので、長命寺の寺号を与えられたといわれています。


本日もお付き合いいただきありがとうございました。今回も素敵な和菓子に出会えました。