初夏に食べたい定番和菓子 若鮎の魅力

若鮎は渓流を気持ちよく泳ぐ姿が人々を魅了する初夏の風物詩。そんな快活な姿を模した「若鮎」。夏の暑さを乗り越える和菓子として最適です。

ほとんど同じ材料で作っていても風味や食感にしっかりと違いがあります。求肥一つとっても、餅のようなら弾力のあるタイプのものもあればふんわり柔らかいタイプのものもまで。もちろん甘さも違います。“推し鮎”を探して…今日は京都の若鮎をご紹介。

若鮎 おすすめ 京都編

井筒八ッ橋本舗 若あゆ

こちらが祇園、「井筒八ッ橋本舗」さんの井筒の若あゆ。非常に手に馴染む個人的には大好きなサイズ感と、男前度が過ぎるいい若鮎です。かっこいいですね~!

井筒八ッ橋本舗さんの若あゆは、とにかく艶やかなカステラ生地です。全体的に甘さを抑えた感じ。少し持った程度では型崩れしない程しっかりしています。それもそのはず、求肥がたっぷりと包まれていてずっしり重いくらいです。

若あゆのなかの求肥はとても柔らかく、しっとりとして、上品な甘さです。もっちりしているのに、食べるのに反発してこない緩やかな食感が気持ちいいです。

営業時間と周辺地図

祇園本店は、かつての芝居小屋・北座のビルです。

井筒八ッ橋本舗というので、八つ橋だけかと思ったら大間違い。さすがは創業220年の祇園の老舗、季節の定番和菓子はきちんと揃っております。かなり種類も多く楽しい空間で、2階では喫茶もできます。

井筒八ッ橋本舗 祇園本店
営業時間 10:30~18:30
 定休日 年中無休
住所 京都市東山区川端通四条上ル
TEL 075-531-2121
アクセス 京阪電車 祇園四条駅下車 徒歩2分
阪急電鉄 四条河原町駅下車 徒歩5分
市バス 四条京阪前下車 徒歩2分
HP https://www.yatsuhashi.co.jp/
 Instagram https://www.instagram.com/izutsu_yatsuhashi/

仙太郎 たかゞ…どこにでもある調布

仙太郎さんの若あゆを購入すると、「和菓子歳時記」というしおりが添えられています。
“たかゞ…どこにでもある調布。されど…”
この1文から始まる短いお手紙なのですが、ここに仙太郎さんの若あゆに対する熱い気持ちが込められています。全文は記載しませんが、これは是非読んでみてほしいです。若あゆを食べながら、作り手の充実感に心まで満たされると思います。

なんといってもこの力強さが最高です。カステラ生地にもしっかりと甘味があるタイプ。それでいて口溶けがいいんです。きりっと冷たい水にも合います。仙太郎さんの若あゆの中には厚みのある求肥がきれいに包まれていて、それだけで美しくお店のこだわりが楽しめます。

上が仙太郎さん、下が井筒八ッ橋本舗さんの若鮎

営業時間と周辺地図

京都寺町仏光寺にある仙太郎本店。ちょうど高島屋の裏手なので駅からすぐです。百貨店の仙太郎さんは、東西問わず行列のできる人気店ですが、本店は穏やかな空気でとても買いやすいのもお勧め。

仙太郎 本店
営業時間 8:00~17:00
定休日 1月1日
住所 京都府京都市下京区寺町通仏光寺上る中之町576
TEL 075-344-0700 (9:00-16:00)
アクセス 阪急電鉄 京都河原町駅 徒歩2分
HP https://www.sentaro.co.jp/

俵屋吉富 鴨川あゆ

京都の老舗和菓子店「俵屋吉富」さんからは、印象的な姿の逸品をご紹介。青く澄んだ鴨川を泳ぐ躍動感に満ちた若鮎の姿を創作したという、鴨川あゆです。

カステラ生地ではなくて、薄種(もち米を水で溶いて焼き上げた煎餅。薄い最中の皮のような感じ。)を蒸して成形してます。ふわっとした軽い食感と、薄種ならではの米の甘味が非常に素敵です。さらに生姜風味の求肥が包まれているというこだわり様です。

ひと口食べると、優しい歯ごたえの求肥から生姜の香りがすっと鼻に抜け、清涼感のある逸品。定番とはちょっと違うけれど、味は間違いなく美味しいです。話題性もある芸術的な和菓子です。

営業時間と周辺地図

京菓子 俵屋吉富 本店
営業時間 8:00~16:00
定休日 日曜日・水曜日
住所 京都市上京区室町通上立売上ル
TEL 075-432-2211
アクセス 京都地下鉄今出川駅 徒歩5分
HP https://kyogashi.co.jp/
Instagram https://www.instagram.com/tawaraya_unryu/

若鮎ってこんな和菓子

若鮎は鮎をデザインした涼やかな意匠です。その独特な定番和菓子の特徴はこちら☟

中は餡ではなく求肥

若鮎の基本的な材料やレシピはシンプル。カステラ生地をふんわりと焼き上げ、求肥を包んで完成。特徴的なのは、中は餡ではなく求肥を挟んでいる事です。夏の暑い時期にはこってりした餡よりも、少しでも食べやすくなる様にと求肥を入れるようになったのだとか。確かに暑い日には、のど越しの良い和菓子が嬉しいです。カステラ生地を厚くしたり薄くしたり、求肥の量を調整したり、代わりに白あんを入れたもの…お店独自の工夫が楽しめます。

鮎の顔は焼きこてで一つ一つ

鮎のお顔は焼きこて等で押されている店が多く、そのため男前から個性派までお店ごとの様々な表情を楽しめるのも鮎菓子の魅力です。

菓銘も基本名の若鮎のほか、鮎菓子、登り鮎、かつら鮎、稚鮎、早瀬鮎、鮎調布…等、お店や地域で呼び名も様々です。

若鮎と岡山銘菓「調布」

若鮎は、求肥を焼皮で巻いた「調布」という岡山銘菓がルーツといわれています。

岡山 廣榮堂武田 「調布」https://koeidotakeda.jp/products/chofu/

この調布もご覧の通りのシンプルな見た目。若鮎と同じ様に皮の風味やその包み方、求肥の品質などもお店によって特徴がある和菓子となってます。そもそも、これに顔つけて魚の形にして売り出そうとしたセンスが凄い!!

若鮎は夏の暑さを乗り切るエネルギッシュな和菓子です。季節感もありそれでいて元気のでる逸品。バラ売りもされているし、正直値段は上生菓子の半分程。是非手に取って若鮎で夏の準備をしましょう!今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

コウヤマジョアン
  • コウヤマジョアン
  • 美しい景色を見て素敵な和菓子に出会えたら
    なんか人生豊かになってる気がします。
    いつもの和菓子を、日本の美しい風景と共に