春日大社に御供えするのはドーナツ?奈良・萬々堂通則
奈良の文化を支えてきた老舗和菓子店が数多く並ぶ奈良公園周辺。地域の寺社との関係も深く、昔からの製法や風味を守り続けている魅力的な和菓子を楽しめます。

今回ご紹介させていただくお店は、世界遺産の春日大社ともかかわりを持ち続けている老舗和菓子店、「萬々堂通則」さんです。奈良の和菓子御三家にその名を挙げる方も多い「萬々堂通則」さん。江戸時代後期創業の歴史あるお店の代表菓がこちら「ぶと饅頭」です。
春日大社御供菓
ぶと饅頭
春日大社では古来より御祭礼に、神饌(神への御供物)として「ぶと」が作られていたとされています。「ぶと」とは飛鳥・奈良時代に遣唐使が中国から持ち帰った唐菓子の一つ。米粉でギョーザのような形を作り、胡麻油で揚げたものです。

江戸時代創業の萬々堂通則が、春日大社の許可を得てこの「ぶと」を現代風にアレンジし、食べやすいように小麦粉の生地でこしあんを包んで油で揚げたのが現在の「ぶと饅頭」です。
半円形でフチが網目になっている独特な形状です。香ばしい風味と甘さが、祭礼に捧げられた贅沢さを物語っています。もちろん、めっちゃくちゃ美味しいです。

油で揚げてあるけど、全然脂っぽいってことはありません。むしろサクッホロッとした食感です。なんとなくあんドーナツのような仕上がりです。ふわふわよりも、ぎゅっと詰まった感じがむしろ懐古的な印象を与えてくれます。

とてつもなく上品なあんドーナッツと言えば伝わるでしょうか。1200年続く神社で、こんな素敵な御菓子がお供えされてるなんて、ちょっと微笑ましいですね。消費期限は4日。思ったより長いです。良質な油や素材を使用しているのが分かります。
淡味真楽を奈良で
店内で目を引く「淡味真楽」の文字は、店主と交流の深かった東大寺第208世別当の書。「淡味」=あっさりとした上品な味わいの中に「真楽」=真の楽しみ・美味しさを追求するという意味でしょうか。古都らしい質素な風味を紡いでいくことで、地域に欠かせない存在なのが分かります。

場所は近鉄線奈良駅からすぐ、非常に賑わっている元気な商店街「餅飯殿(もちいどの)センター街」内にあります。奈良で最も古い商店街で、なんだか素敵な名前。奈良公園や興福寺の観光にとても便利なところです。

https://www.mochiidono.com/
営業時間と周辺地図
| 御菓子司 | 萬々堂通則 |
| 営業時間 | 10:00~18:00 |
| 定休日 | 不定休 |
| 住所 | 奈良県奈良市橋本町34 (もちいどのセンター街) |
| TEL | 0742-22-2044 |
| アクセス | ①近鉄奈良駅から歩いて5分程 東向商店街、もしくは小西さくらを抜けて もちいどのセンター街入ってすぐ ②JR奈良駅から 暗越奈良街道(くらがりごえ)を 奈良公園に向かって歩いて15分程 |
| HP | https://www.manmando.co.jp/ |
| Online-SHOP | https://ec.manmando.co.jp/ |

鹿苑 奈良に因んだ和菓子がいっぱい

店舗は古都奈良の趣と、繊細なデザインで統一された心地よい空間。老舗店にありがちな入りづらさは全く感じません。お茶席からお土産まで幅広く喜ばれる商品が並びます。高級落雁「青丹よし」や2月限定の「糊こぼし」など、奈良にちなむ銘菓は、名だたる寺院や神社の御用達です。

奈良公園で秋の風物詩となっているのが、鹿の角切(牡鹿)。公園内の鹿苑で行われます。この秋の情景を表わしたのが「鹿苑」です。
白餡を黄味餡でつつんで焼き上げた桃山タイプの和菓子。おとなしく佇んでいるような鹿の形に癒されます。
これが結構食べ応えのある感じ。サイズは小ぶりですが、厚さがしっかり。消費期限は6日と長く楽しめます。

奈良は和菓子のレベルも相当高いです。東大寺や春日大社など歴史の語る美味しさを体感してみるのはいかかでしょうか。広がる空間と可愛い鹿たち。季節や行事に因んだ奈良の和菓子。皆さんも楽しんでください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
参考HP:奈良女子大学大学院人間文化研究科 文化史総合演習 成果報告
https://www.nara-wu.ac.jp/grad-GP-life/bunkashi_hp/buto/buto.html