岡山の和菓子と言えば、誰もが思い浮かべる「きびだんご」。岡山駅に行けば県内の全てのきびだんごが揃っているといっても過言ではありません。各メーカー、王道のものから個性的なものまでたくさんお店に並んでいます。
是非、きびだんご選びの参考にしてください。

今回はきびだんごの本家もとのもと称されるお店、「廣栄堂武田」さんを中心にご紹介。思わず手にとってみたくなる可愛いイラストの包装。さらに170年も販売されている老舗の銘店と知り驚かされます。

廣栄堂武田と廣榮堂

きびだんごの歴史は古く、1856年頃に吉備津神社（岡山・吉備の一宮格式神社、日本遺産でもあります。）で茶席用のお茶菓子として作ったのが始まりといわれています。これを販売していたのが廣栄堂武田といわれています。
廣栄堂武田と廣榮堂、ほとんど同じ名前です。お店の歴史をHPやきびだんごに添えられている案内をみると実は途中まで同じです。創業も同じ1856年。ですが、「本家本元もとのもと」と謳っているのは廣栄堂武田さんの方です。岡山備前の池田藩の国印であった釘貫を商標登録しているのも廣栄堂武田さん。

お店スタッフに伺うと「全く別です」というお答えでしたが、この辺は大人の事情でしょうか(笑)
廣栄堂武田さんのきびだんごは、やや小ぶりで甘さも控えめです。

きびだんごとイラスト

きびだんごをイラスト戦略で広めたのは廣榮堂さんが先のようです。「きんぎょがにげた」「さる・るるる」を代表作にもつ五味太郎さん。1993年に登場した、「元祖きびだんご」にはまるで絵本からでてきたような、桃太郎や鬼がパッケージにデザインされています。

『岡山のきびだんご』としてではなく、『桃太郎のきびだんご』として日本中の子どもに食べてもらいたいという明白な願いがあったようです。結果的に当初売上予想の10倍、２００万箱を売り上げるヒット商品に成長し、岡山きびだんごをメジャーなお土産にしたといってもいいでしょう。。

廣栄堂武田　Noritakeイラスト

廣栄堂武田さんは、今のNoritakeイラストにリニューアルしたのが2019年。これによって若い客層が同社のきびだんごを買うようになったのはもちろん、Noritakeさんは韓国や台湾などでも人気が高いことから、インバウンド対応としてもかなりの成功を収めています。

誰もが一度は「なんか見たことある！」と既視感にとらわれるような、独特の世界観を持ったイラストのNoritakeさん。ちょっぴりシュールでゆるいイラストが、見る人をほっこりさせる空気感で多くの人を魅了しています。力強い桃太郎とは対照的に、ぷっくり可愛いきびだんごそのものに通じていますね。ちなみにＣＭアニメはあのゴジラ－1.0でアカデミー賞の「白組」です。こちらの本気度もスゴっ!!

これ、箱の大きさに応じてキャラクターが増えていってるの気づきました？対立関係ではなく鬼も含めて仲間になっていくストーリーをイメージしたそうです。物語の中と同じように、きびだんごが人と人とを結ぶきっかけになるように願いから。意味がわかるとさらに素敵です。

余談ですが…2025年9月に放送されましたテレビ朝日系列のドラマ『大追跡～警視庁SSBC強行犯係～』の劇中にて、廣栄堂武田のきびだんごが登場いたしました。事件解決後にご当地スイーツを囲む場面で、個装きびだんご（プレーン）を出演者の皆様が召し上がっていらっしゃいます。

みるく味のきびだんご

廣栄堂武田さんは、プレーンなきびだんごの他、きなこ味とみるく味を展開。きなこ味は国産大豆、みるく味は岡山蒜山高原のジャージー牛乳を使用している限定商品。水を使用せず牛乳で練り上げた、柔らかで贅沢な味わいのきびだんごです。濃厚なミルクを感じる優しい美味しさが口に広がります。これらきびだんごの賞味期限は約2週間。日持ちするのもいいですね～。

従来から一貫してきた高品質の素材で作られたきびだんご。廣栄堂武田さんの驚きの販売戦略はさらに続き、なんと和菓子キャラクターのグッズを販売しています!!「きびだんごのグッズはありそうでなかった。賞味期限もないし、常温で扱えるし、われわれとしても新たな市場の開拓につながりました。」いやぁ、参りました。

まだまだあるじゃろ❤
魅力的なきびだんご

きびだんごは餅米のシンプルな甘さが特徴的ですが、今ではマスカットや白桃、ラムネ味などの変わり種も多数登場。もちろん、パッケージも様々なものがあります。最後に急いでご紹介させてください。

廣栄堂武田　
営業時間と周辺地図