レトロ建築でも人気 京菓子本家玉壽軒 雨宝院にも寄ってみて

本家玉壽軒さんは、京都市の西陣というエリアにある老舗和菓子店。今出川通り(府道101号)という大きな通りに面しています。東は銀閣寺から京都大学を抜け、京都御苑の北を通り、西へ行けば北野天満宮、御室仁和寺を過ぎる東西を結ぶ主要幹線道路です。

白暖簾の老舗のウインドウ

中でもひときわ風格のある町屋の佇まいの外観が「本家玉壽軒」さん。明治初年ごろに建てられたレトロ建築ですが、京都市の景観整備条例によりその存在感は今も維持されています。

京名物 百味會って何?

玉壽軒さん、いったいどんなお店なのか…と調べてもHPがないっ!出てきたのは「京名物 百味會」に紹介されている記事。はて「京名物 百味會」?例えば八ッ橋の「聖護院八ッ橋総本店」、羊羹の「とらや」など“1名物1店”の原則で結成され、一切の追加入を認めていないという敷居の高い組織のようです。

なんだか都市伝説のような雰囲気がしますが…実は京都の老舗中の老舗67店が集っているきちんとした団体です。「本家玉壽軒」さんも、慶応元年(1865年)創業。江戸後期に綴織仕事のかたわらに置いた菓子が好評で、幕末に京の菓匠に名を連ねた160年を超える老舗です。

玉壽軒」という屋号は、妙心寺派の初代管長が名付けた。というエピソードが表すように、店内には、妙心寺、南禅寺、龍安寺、大徳寺と名だたる寺院の御用達看板が飾られています。京都らしい風味は保証されているといっても過言ではありません。

本家玉壽軒
営業時間と周辺地図

  • 本家玉壽軒
  • 住所 京都市上京区今出川通大宮東入元伊佐町 本家玉寿軒 262
  • 営業時間 8:30~17:00
  • 定休日 水曜日・日曜日
  • TEL 075-441-0319
  • アクセス 京都市地下鉄 今出川駅下車 徒歩15分
    京都市バス 堀川今出川から徒歩4分
    京都市バス 今出川大宮から徒歩1分
  • HP等はありません
暖簾に描かれている「紫野」は代表菓

『さくら餅』と上生菓子『行く、春』

観光客向けというよりは、地元の人やお茶席用として使われる質素で揺るぎのない京菓子店です。なにがすごいかって、この雰囲気で値段はいたってふつうなんです。もちろん贈答用もあるのですが、上生菓子を含めて実に良心的な金額です。むしろ昨今の物価高を鑑みれば、この品質で安すぎます!!

『桜餅』460円

道明寺も販売されていますが、こちらは淑やかに包んであるタイプの桜餅。皮の部分は、ふっくらと柔らかい小麦粉の薄い焼皮。葉っぱは濡れてる感じで塩気はほとんどありません。葉の形にもこだわりがありますねぇ。中のこし餡もすっきりした甘さに仕上がっています。

『行く、春』460円

上生菓子の『行く、春』は、薄黄はだに桜色がささやかに散っている美しい逸品。優しい甘みの外郎生地を二つ折りにして黄味あんを挟んだもの。表には舞い散る桜を感じさせる、ほんのりとピンク色が彩られています。しっとりとした食感は上品で心に残ります。

見た目も綺麗で質実ともいえる様なシンプルな味が、むしろ伝統を感じます。歴代の職人さんの意志を感じる和菓子です。手土産としてもきっと喜ばれると思います。

雨宝院の遅咲き桜

雨宝院は、「西陣の聖天さん」として親しまれ、住宅街の中にひっそりある仏教寺院です。ここの本堂前の桜は「歓喜桜」といい、ソメイヨシノに比べて遅咲きの桜の種類です。花びらがたっぷりと八重咲きになるのが特徴。境内を埋め尽くすような高さの桜は、実に見事な光景です。

境内から正門を望むアングルがとても有名。ロケなんかにもよく使われています。実はこの目の前は、本隆寺というお寺。ここの塗り壁が非常にいい味をだしているんですね~。路地も非常に細く軽トラックギリギリのサイズ。境内は拝観自由。桜の季節以外でも、四季折々の植物が美しい「花の寺」としても有名です。

清甘舌上香

「本家玉壽軒」さんの建物上部には、「清甘舌上香」と記されたの立派な木製看板。こちらは中国で書を学んだ山本竟山の書のようです。どうやらお茶に関する慣用句らしく、清甘とは、 口の中に広がるすっきりと澄んだ爽やかな甘み。舌上香は、飲んだ後舌の上に残り続ける心地よい余韻。豊かな香りが舌の上で贅沢に残り続ける、そんな美しい味覚を表現しているようです。

文化遺産として残さねばならないという「本家玉壽軒」さんの強い想いを感じる和菓子たち。京の風情がこれからも続いていくことを願ってやみません。最後までお付き合いいただきありがとうございました。