祇園祭のお稚児さんとちご餅

祇園祭 なぜお稚児さんが大事?
古代より幼子には神が降霊しやすいと言われ、神社の催事に参加する事が多くありました。それ故祇園祭りの幼子=お稚児さんも特別な存在として大切な役割を担っています。かつては船鉾を除いた全ての鉾にお稚児さんが載っていたそうですが、現在では生稚児(いきちご)が搭乗するのは巡行の先頭、長刀鉾だけになっています。

共に搭乗している世話役の禿(かむろ)も子供が努めます。くじ改めの儀式や棒振り踊り、各鉾の粽などの販売に至るまで多くの子供が祭りにかかわっています。祇園祭に子供はとても重要な存在なのです。
長刀鉾稚児社参
今も現存する生稚児、長刀鉾稚児が八坂神社を訪れ、位を授かります。お稚児さんの役割は、神様の代わりに神様となる事。長刀鉾稚児は社参後から神のお使いとされ、公の場では地上を一歩も歩かず、男性強力の肩に担がれて移動します。神様に任命されている期間は精進潔斎の生活を送らなければいけないのです。

社参終了後に長刀鉾稚児は中村楼に立ち寄り、稚児餅を献上されます。現在は、八坂神社の石鳥居と南楼門との間の参道東側にある料亭です。進行方向奥にある、「角切銀杏」家紋が中村楼です。
三條若狭屋 祇園ちご餅
ちご餅は、祇園祭長刀鉾の稚児、そして神幸祭、還幸祭の折に神輿を先導する久世駒形稚児らの、社参に際して八坂神社に奉納され、お参りの後に供されることで知られた特別なお菓子です。

ちご餅は、白味噌を甘く炊いたものを求肥で包み、氷餅をまぶして竹串に刺したものです。お稚児さんが味噌だれをつけた餅を振る舞っていたことが始まりとされています。その餅が厄除けや福を招くと評判になり、大正時代に京菓子として創作されました。

ちご餅は疫病除けや夏痩せしないとも言われています。ふんわりとソフトな口当たりの求肥を少し噛むと、白味噌の優しい風味が口いっぱいに広がります。程よい甘さと味噌の香りの余韻が続き、なんだか穏やかな気持ちになるお菓子です。
祇園祭りってどんなお祭り
平安時代には地殻変動による天災や疫病が大流行します。当時の人々はこれを怨霊の仕業と信じ、この怨霊を鎮めるには神様のお力に頼るしかないと考えます。この時の儀式が祇園祭りに繋がるといわれています。現在のような山鉾が出るようになったのが、戦国時代に商人主体のお祭りになってからだそうです。

三條若狭屋 営業時間と周辺地図
| 京菓子司 三條若狭屋 | |
| 住所 | 京都市中京区三条通堀川西入ル橋西町675 |
| TEL | 075-841-1381 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日 | 水曜日・日曜日 |
| HP | https://www.wakasaya.jp/shop/index.html |
| 京都大丸、高島屋京都店でも一部購入可能 |
長刀鉾社参日程
| 長刀鉾稚児社参 (毎年)7月13日 11:00~ 八坂神社 |
八坂神社にお参りに行かれる多くの方は、四条通りの東の突き当たり、東大路に面した西楼門から神社境内に入られることが多いのではないかと思いますが、神社の正式な入り口は、南参道です。

境内の中央にある本殿は南面して建っています。したがって正式な参拝の順路は、南の石鳥居をくぐり、南楼門を通って、拝殿、本殿へ向かいます。11時に本殿神事なので10時半ごろには禿と共にお稚児さんが八坂神社に入ります。神事は見れませんが、社参直後のお稚児さんを観ることは可能です。とても素敵な瞬間ですので、祇園祭りの際是非ご覧になってください。もちろん、ちご餅も美味しいですよ!