上野 うさぎや 東京三大どら焼きと湯島天神

東京三大どら焼きで、唯一3店舗展開で販売している。「うさぎや」さん。尾崎紅葉、永井荷風、芥川龍之介、池波正太郎ら文人に贔屓にされたという上野店。創業者の谷口喜作氏が俳人でもあったことから、店の構えとなんとなく洒落てます。字体もとても独特でうさぎの飾りも含めてとても可愛いです。

店内もかなり予想外でした。宇宙船をも彷彿させるかなりの近代的なデザイン。包装紙を含め映画監督小津安二郎もお気に入りだった老舗は、味はもちろんですが、和のグラフィックも”東京三大”にふさわしい優れたデザイン性、粋な東京風流が溢れています。

さて、肝心のどら焼きですが、画に描いたようなきれ~いなどら焼き。
ドラえもんに出てくる、まさにアレです。綺麗すぎる皮のどら焼きが並んでるのを見るだけでため息が出ます。焼印が無いんですよね!この優しい焼き色が際立ちます。

うさぎや」さんのどらやきは、上火で浅く片面焼きで仕上げる皮で、あんこに面している側の皮はクリーム色。皮をひっくり返さないため、皮断面の気泡が分断されず、柱状に走っている気泡が皮の食感をよくするんだそうです。なるほど、しっかり系でもっちりと弾力がありながら、非常に歯切れが良い皮の食感です。
しかもめちゃくちゃ嬉しいことに温かいんです。作り立てにこだわった「うさぎや」さんだからこそ、是非とも直ぐに食べることをお勧めします。

そんな生地に包まれるのは、北海道十勝産の小豆を使用した粒あん。この粒あんがまた素晴らしいやわらかさ。生地からこぼれ落ちそうなほどしっとりなめらかな粒あんは、大正時代から愛されてきた下町の甘味。小豆の風味がしっかりと残っており、喉を通った後も、味の余韻が心地よく続きます。皮の香ばしさとも相まって、余韻を楽しめるおいしさです。

とてもシンプルな和菓子であるどら焼き。生地とあんこのみだからこそ、名店のこだわりと技術で究極の一品に仕上がっています。創業から変わらぬ伝統の中で、「和洋折衷の奇をてらうのではなく、常に先代たちの目を意識し続ける難しさ、おいしいものをおいしく食べることとは何か?」を追求している「うさぎや」さん。その美味しさにあやかりましょう。


うさぎや 上野店
住所東京都台東区上野1丁目10番10号
電話03-3831-6195
定休日水曜日
営業時間9:00~18:00
浅草駅JR山手線、京浜東北線 御徒町駅南口より徒歩8分
東京メトロ 銀座線 上野広小路駅より徒歩4分
東京メトロ 千代田線 湯島駅より徒歩4分
HPhttp://www.ueno-usagiya.jp/