嵐山 鶴屋寿 守り続ける白い道明寺

鶴屋寿 嵐山 桜餅

関西風といわれる道明寺桜餅の起源は、1800年代前半江戸で人気のあった、長命寺の桜餅を参考に大阪の北堀江の土佐屋というお店で売られ始めたといわれています。明治の半ばに京都の嵐山近辺で道明寺粉を使った桜餅が、『嵯峨名物桜餅』として売られていた記録が残っています。どうやらそれが私たちが食べているものに近いみたい。

年間を通して国内外から多くの観光客で賑わう、京都 嵐山。その地で最も古い和菓子屋さんが、どうやらその桜餅を継承しているとい噂を聞いて、満開の桜の京都、人混み覚悟で訪ねてみました。

古くから桜の名所としても知られるこの場所で、【桜餅】を看板商品に掲げ、長年にわたって地元の人々や観光客に愛されてきた和菓子店、昭和23年創業の「鶴屋寿」さんです。桜餅専門店なんですね。『さ久ら餅』と看板に書かれています。
お花見シーズンの真っ最中。店内は、後述しますが、予約された化粧箱入りの桜餅がうずたかく積まれていました。因みに2つから買えます。個人でも丁寧に対応してくださいました。

鶴屋寿の「嵐山さ久ら餅」は、ピンク色ではなく輝く白色です。桜の葉は2枚で包むように添えられています。濃い緑の葉にそっと隠れた小ぶりの白い道明寺が品の良さを感じます。もちもちというか、ぽってりというか思ったよりみずみずしく、あんこはしつこくない甘さのこし餡。塩味はほとんど感じられず、桜の葉の香りだけがしっかりと染みています。上品ですが…2~3個ぺろりといただけてしまうような美味しさです。

では、いったいなぜ桜餅が年中販売されているのか、なぜ化粧箱をよういしているのか。
吉兆、松籟庵、星のや京都、MUNI ALAIN DUCASSEなどミシュランレベルがごろごろと集結している嵐山。創業当時、その高級料亭吉兆への手土産としての格を損ねないように、桜餅を上生菓子として製造し始めたそうです。それだけに細部の徹底してこだわっています。店内に何種類かある専用の化粧箱も、その見せ方のひとつです。また道明寺粉はお店オリジナルの粗いものと細かいものをブレンド。もっちりとした優しい食感の道明寺を味わえます。鶴屋寿さんの道明寺が白いのは、敢えて季節感を外して通年楽しんでもらいたい、という想いが込められています。HPアドレスも堂々たるSakuramochi.jpです!

この一帯、住居なども和風なだけに、むしろ漆喰のモダンな感じがします。

化粧箱が充実しているのも、鶴屋寿さんの特徴。手土産の見せ方にも気が配られています。

嵐山 さ久ら餅 鶴屋寿
住所    京都市右京区嵯峨天龍寺車道町30
TEL    075-862-0860
営業時間  9:00~17:00
定休日   無休
アクセスJR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅 徒歩5分
嵐電「嵐電嵯峨」駅 徒歩5分
HPhttp://www.sakuramochi.jp/index.html

それにしても、嵐山という所は絵になります🌸