塩瀬総本家 本饅頭で家康に会いにタイムリープ
中央区で「一番の老舗」は、徳川家康も愛した和菓子店でした。1349年創業の「塩瀬総本家」さんで、実に670年の歴史があります。創業670余年!丁度大河ドラマも家康なので早速タイムリープ体験をしにおじゃましました。応仁の乱の頃大火の京都を逃れて愛知・塩瀬に移転。そこで屋号を塩瀬になり家康に繋がるという途方もないストーリー。
今は築地です。築地本願寺の真裏にある感じですが、聖路加病院もあったりでお店の周りに懐古風情はほとんどない。堂々としたファサードはしかし高島屋や三越にある店とは明らかに異質。その暖簾はまるで異次元へ誘っているかのようになびいています。

本日頂いたのは「本饅頭」です。長篠の戦より戦勝祈願のお供え品にも使われ、徳川家康が好んだという饅頭はもちろん塩瀬総本舗さんの代表菓。増上寺御用達から宮内庁御用達と輝かしい系列のこの「本饅頭」。ただのあんこ玉と思ったら小豆餡を薄い皮で包んだ和菓子です。透けるほど薄い皮にぎっしりと餡が詰まっています。この黒の光沢がかっこいいですね。

見た目はがっつり濃そうしかも柔らかそうだが、表面に触れてみると意外にも皮がしっかりとしています。塩瀬の饅頭のこだわりは「北海道音更町の小豆」。しっとりと滑らかなこし餡の中の大納言小豆の粒が、いい食感です。実は甘さ控えめで、あっさりとしています。上品というべきなのか、武将好みとでもいうか、気持ちを邪魔しない味です。仕込みに3日もかける歴史の味とはこれなのかしら。


餡をふんだんに使ったこの「本饅頭」。砂糖や小豆が高価だった時代は、饅頭は貴族など地位の高い人の食べ物でした。昔の人が食べていたものを今世にも伝えて続けてくれる老舗の信念と、誰でも味わえる時代に生まれたありがたさを感じながら、「いつの時代も変わらぬ美味しさ」に感動します。きっとこうやってタイムリープは案外たやすいのかもしれませんね。

店舗情報
塩瀬総本家 本店 | |
住所 | 〒104-0044 東京都中央区明石町7−14 |
電話 | 03-6264-2550 |
定休日 | 日曜・祝日定休 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
最寄駅 | 東京メトロ新富町駅、築地駅 |
HP | https://www.shiose.co.jp/ |
その他取扱店 | 東急のれん街店、松屋銀座店、大丸東京店 日本橋高島屋店、川口そごう店、京王新宿店 水戸京成百貨店、そごう千葉店 |