島根大学法文学部 x 和歌 meets 松江・彩雲堂

島根大学法文学部の3人の女子学生が、創業150年の老舗和菓子店、松江市の彩雲堂と共同開発したのがバレンタイン用の新商品が可愛いすぎます。

バレンタインデーにあわせて、古くから詠み継がれてきた和歌をモチーフに短編小説を創作。そこからイメージを膨らませ、和菓子と菓銘をデザイン。この学生たちのアイデアから、彩雲堂さんの職人さんが新たな生菓子を開発したものです。学生たちは和菓子に合わせたパッケージも提案、デザインのもとになった和歌と小説は、平安時代の手紙(結び文)をイメージしたしおりに掲載し、商品に添えてるというこだわり様です。

彩雲堂x島根大学 バレンタイン企画


恋慕

平兼盛:拾遺和歌集
『心に隠していたけれど、顔色に表れてしまっていたのだなあ、私の恋心は。何か物思いをしているのですか、と人が尋ねるほどに。』


しのぶ草

藤原基俊 :千載和歌集
『思いを胸に秘め、口には出さずに過ごしてきた。俺はまるで陸奥の岩手の古屋に生える忍ぶ草だな。せめて、怺えているってことだけでも、あの人に知らせたい。』


恋気色

古今和歌集:unknown singer
『強い恋心に、忍ぶ心が負けてしまいました。決して誰にも知られないようにと思っていたのに。』


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恋手套

万葉集:unknown singer
『筑波嶺一帯の、新しく出た桑の葉で育った蚕からとれる質の良い糸で織った衣もすばらしいにはちがいないけれど、それよりも、貴方の着たその衣をただ羽織りたい。』
※真っ赤な練り切りは彼氏の手袋をイメージだそうです。


紅弁慶

佐々木信綱:歌集「思草」
『叶うなら、どうか我が身をかろやかな春風と化して、憂いを抱いている人の門べに訪れて、その悲しみの気持ちをまぎらわしてあげたい。』


星影

建礼門院右京大夫:玉葉和歌集
『いつも月ばかり眺め慣れていたのですが、星の夜の深い情趣を、私は今宵はじめて気がついたのです。』
※建礼門院(平 清盛の娘)に仕えた女性が、恋人を亡くしたあとに詠んだ歌です。


もちろん和菓子の表現力も凄いのですが、そもそもの和歌の選択が素晴らしいです。和歌の世界はあまり馴染みがないのですが、こんな素晴らしい和歌があるのかと感動しました。頬が染まるそうな恋愛の世界をしっかりおじさんの菓子職人の方々が再現するなんてとっても素敵な企画です。彩雲堂の方が「この世界観を和菓子に落とす」とおっしゃていたのが印象的でした。和歌を詠みながら食べる和菓子は、恋心と美味がずっと同じであることを感じさせてくれるでしょう。

*PBL(Project(Problem) Based Learning)は、文部科学省が推進するアクティブラーニングの一つで、正解のない課題を通して問題解決へのアプローチ方法を身につける授業。特に地元企業と協力して企画するのを「企業連携PBL」として、全国各地で興味深い活動が行われています。

島根大学法文学部
https://www.hobun.shimane-u.ac.jp/docs2/2023020700017/
彩雲堂
HPhttps://www.saiundo.co.jp/
instagramhttps://www.instagram.com/saiundo1874/

■松屋銀座8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)販売期間 2/9~2/10
■彩雲堂本店(松江市天神町124)販売期間 2/10~2/14(予定)