京都 二条駿河屋 源氏物語 第九帖葵 紫の上も食べた亥の子餅 五穀豊穣の贅沢な逸品

「すいません、亥の子餅ってありますか?」「有りますよ。11月ですからねぇ」
私の稚拙な問いにも、明るく優しく応じてくれたご主人。和菓子のこの季節、11月の定番といえば、亥の子餅でございます。こんな会話が自然に成り立つ街、京都。流石だなぁと感心させられます。

二条駿河屋さん。歴史を感じさせる暖簾をくぐれば、秋の穏やかな日差しも手伝った優しい空間の店内。亥の子餅はお店ごとにいろんな作りがあるのですが、二条駿河屋さんのは、「五穀豊穣」の想いを表現した素晴らしい亥の子餅です。粒餡の中に(小豆)、銀杏、栗、柿(あんぽ柿かな?)鮮やかなオレンジ色が綺麗!、そして黒胡麻が入っています。それをそっと包む羽二重餅。無茶苦茶滑らかです。溶けるような、すり抜けるようなしなやかな羽二重餅。最高です。

柔らかすぎて上手に断面をお見せできなかったのですが、栗や柿などがホントに美しい。嬉しくなる様々な食感と多様な甘味。ちょっと衝撃です。亥の子餅が季節限定なのがもったいな過ぎます。このクオリティは百貨店にもって行けないのかなぁ。賞味期限1日とは、一応記載されていますが、これ天候に左右されるくらいのやわらか~い羽二重餅です。出来れば早めに食べるのがおすすめです。二条駿河屋さん、なるほどまさにここでしか味わえない感動のお店です。

紫式部の源氏物語第九帖「葵」では、光源氏と紫の上が結ばれたシーンで登場します。イノシシが子だくさんな様から子孫繁栄になぞらえた亥の子餅。亥の月、亥の日、亥の刻に食べると万病に効くとも云われたこの習わし。2人の行く末を願っての御菓子だったんですね。これはむしろ紫式部の筆力を褒めるべきでしょうか。
二条駿河屋 | |
住所 | 京都市中京区二条新町東入ル大恩寺町241 |
電話 | 075-231-4633 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 日祝日 |
https://www.instagram.com/nijo_surugaya/?hl=ja | |
アクセス | 京都市営地下鉄丸太町駅から徒歩7分 |