京都鴨川音楽祭『和菓子で楽しむ叡山電車』協力和菓子店が激熱!
京都鴨川音楽祭『和菓子で楽しむ叡山電車』
『和菓子で楽しむ叡電』と題された、鴨川音楽祭のイベント。鴨川沿線の叡山電車の17の駅とその地域の魅力を和菓子で再現します。和菓子とその背景の物語を発信し、場所・歴史・人・和菓子との新たな出会いを創出します。叡山電車に乗ってその場所を訪れる行動を促進する試み。
京都芸術大学の学生企画実行なのですが、その協力している和菓子店のラインアップが激熱です。京都鴨川音楽祭は3年目の開催。「京都鴨川音楽祭」の名前には京都のシンボル的存在の鴨川のように、「長く、沢山の人から愛される」という意味が込められています。
今回ご紹介している和菓子です!
宝ヶ池駅『宝穣』
兎亀屋
宝ヶ池の由来と池の形を元に作成。宝ヶ池は水不足による争いが起きていましたが池を作ったことで争いから解放された歴史があります。百姓の希望を表す金箔と池の色、豊穣を表す青緑で表現していただきました。上から見ると池の形になっているのが特徴です。

一乗寺駅 『松かさね』
御室和菓子 いと達
宮本武蔵・吉岡一門の決闘で知られる八大神社境内地「一乗寺下り松」をイメージし、松襲の色合いを表現しました。和菓子を武蔵の様に切ることでその風情を見ることができるようになっています。

出町柳駅 『邂逅』
有職菓子御調進所 老松
出町柳駅は賑やかさと自然の穏やかさが共存する場所になっています。下鴨神社の葵の葉をあしらい、シンボルの柳と糺の森の新緑をきんとんで。
「出町」とは、江戸時代から河原町今出川一帯を指し、「柳の辻」という地に叡山電車の駅が開業した際、出町と合体して付けられました。糺の森の木漏れ日と澄んだ空気はとても心地が良いです。

八瀬比叡山口駅『悠遠』
有職菓子御調進所 老松
比叡山延暦寺を開いた最澄は、「人間として生れることは難しく、また生れたとしてもその身体ははかなく移ろいやすい。」と言いました。自然の雄大さを表す餡を人間の無常・儚さを表す錦玉で表現していただきました。

木野駅 『花守り』
菓子屋のな
3000株ものツツジが咲き誇る妙満寺。「安珍清姫の伝説」の鐘があります。和菓子にはツツジの形と祈りを込めてお守りの土鈴をイメージしていただきました。

京都精華大前駅 『幡枝の庭』
菓子屋のな
左京区岩倉幡枝(はたえだ)にある圓通寺。皇室の祈願所となっていたため山門に菊の御紋が架けられています。和菓子には菊の御紋と、そこに映り込む庭園の草花や景色を表現しています。

二軒茶屋駅 『旅路』
兎亀屋
旅人が休息する茶屋が二軒あったことが駅名の由来。旅人の荷物をイメージしているので結び目の根元に2本の線を入れ風呂敷らしさを表現。結び目以外の意匠は加えず、結び目の上部が白くなるように細工して立体感をプラス。細工はいろいろ施していますが、目立たせずシンプルで落ち着きのある仕上がりに。

市原駅『映・移』
京菓子司 金谷正廣
世界三大美女ともいわれた小野小町終焉の地と言われる補陀洛寺。井戸に映る老いた姿を見て嘆き悲しみ亡くなったそうです。桜の色を基調として丸い寒天で覗き込んだ井戸の水面を表現しています。
菓銘『映・移』(うつるうつろう)は彼女の有名な歌、”花のいろはうつりにけりないたづらに”

貴船口駅 『水龍』
御菓子司 亀屋則克
貴船神社は川の源流である貴船川沿いの古社で、水を司どる龍神が祀られています。龍神の爪で水の雄大さや力強さ、中心の玉と寒天で優美さや清らかな静けさを表現していただきました。

京都鴨川音楽祭2023 |
2023年10月9日(月・祝) |
和菓子の販売場所と時間 |
10:00~14:00 叡山電車出町柳駅改札口横 16:00~18:00 京都芸術大学 限定120個6種販売 |
京都鴨川音楽祭2023(第3回)【 伝統と革新のダイアローグ: 三世代で楽しみ、京都から新しい挑戦と出会いを生む音楽祭 】をテーマに、学生とのコラボレーションによる小林幸子コンサート(2023年10月9日(月・祝)会場:京都芸術劇場 春秋座)、和菓子で楽しむ叡電(2023年10月9日(月・祝)於:叡山電車出町柳駅)を開催。
京都芸術大学 クロステックデザインコース「社会実装演習」の授業の中から生まれた企画。「企画を通して、誰かの暮らしをHappyにする」ことを学び「企画は、届けたい人に本当に届けるためにもがいて初めてその人を笑顔にできる」ということを体感するため、2年生の時期に、「音楽をテーマに、人を笑顔にする企画を実装する」ということに取り組んでいる。京都で開催する本イベントは、音楽と街と自然を通じて、人が出会い繋がることで、京都から新しい文化やアクションが生まれることを企図した音楽祭。後筆ですが、和菓子は3時間ほどで完売したそうです。