縁の國島根県、神在月の出雲・松江から ~桂月堂 柿山水~が渋美味!
10月26日は柿の日だそうです。
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
明治時代初期の俳人・正岡子規が、奈良県の法隆寺を訪れた際に書いた有名な句。そしてこの柿の句が書かれたのが、10月26日だったことから柿の日に制定されました。因みに子規は柿の食べ過ぎで腹を壊して医者に止められる程の柿好きだったそうです。また、奈良と柿の組み合わせを発見した自分に自画自賛、さらには実際に鐘がなっているのは東大寺です。和菓子の食べながら柿にまつわる色々面白いお話、まだまだ沢山ありそうですね。

今回ご紹介するのは
出雲国・松江 菓子老舗「桂月堂」さんの「柿山水」です。
熟した柿のなかに、上品な白餡と刻み栗を詰めた柿丸ごと1個の贅沢な和菓子です。綺麗な袋を開けると見た感じは潔い程に干し柿そのもの。深みあるべっ甲色の干し柿に、柿霜を表した上南粉が結晶の様です。なかなかのインパクトで一瞬ひるみます。

意を決して干し柿を割ると…当たり?が出ました。綺麗な白餡が、しかも刻んだ栗が入ってます。枯山水をもじった菓銘「柿山水」だけに、わびさび趣向の一品です。食べてみると柿の存在感はあるのですが、干し柿特有の蜜のとろみ感というか生食ぽさがありません。甘いのですが後味の切れがいいです。中の白あんが絶妙なバランスで、干し柿の甘さをいい意味で吸収して別の旨味に置き換えているような感じです。刻まれた栗がほのかに鼻に立ち昇って、全体が気品ある和菓子に仕上がっています。がぶりとかじりつくのもアリですが、3~4枚位にスライスして、柿と白餡のバランスの違いを楽しみながら、ゆっくり食べるとさらに満足度が上がりそうです。

出雲國松江・菓子老舗 桂月堂 | |
住所 | 〒690-0064 島根県松江市天神町97 |
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営業時間 | 9:00~18:00 |
公式HP | https://www.keigetsudo.jp/ |
https://www.instagram.com/keigetsudo1809/ | |
電話番号 | 0852-21-2622 (受付時間18:00まで) |
くやしくも熟柿仲間の坐につきぬ 小林一茶
これは寄合に集まった際、菓子がふるまわれた際に、硬いものを食べる若い衆と、歯も抜けて熟した柿を食べている自分を含めた老人衆を自虐的かつ肯定感をもって書いた句とされています。
10月と言えば神無月。でも出雲大社のある島根県では神在月です。出雲に神様がお集まりになって、様々な縁について話し合うという神話。ちょっと昔のあいつに柿でも送ってやるか…縁結びの神様のゆかりの地、出雲・松江の柿菓子を大切な方への御縁に感謝を込めて贈ってみてはいかがですか。
桂月堂さんの「柿山水」は、10月~3月の季節限定商品となっております。